インプラント治療の可能性を広げる骨造成法
インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込むため、以前は骨密度が低い方や骨量が十分にない方には治療を行うことができないとされていました。しかし近年では骨が薄い方であっても、それぞれの状態に合わせて骨を増やす治療(骨造成法)を行うことでインプラント治療を行うことが可能になってきました。福岡市東区香椎の森本歯科ではインプラント治療にともなう骨造成法を行っており、これまで骨が足りないことが理由でインプラントを諦めていた方であっても治療ができる可能性があります。
骨造成法にはいくつか種類があり、骨を失っている箇所や範囲によって用いる方法が異なります。大きな範囲におよぶ骨欠損や元々骨量不足のみられる症例には、以下のような骨造成法が多く取り入れられています。
インプラント治療における骨造成法の種類
- 骨誘導再生法 Guided Bone Regeneration
- 骨移植 Bone Graft:
ブロック骨(Vennear Graft, Onlay Graft)、粉砕骨、自家骨、他家骨(脱灰凍結乾燥骨DFDBA)、人工骨(ハイドロキシアパタイト)
- リッジエクスパンジョン Alveolar Ridge Expansion (スプリットクレスト Split Crest)
- サイナスリフト Sinus Lift, Sinus Augmentation:
サイドウィンドウ テクニック Side-window Technique
- ソケットリフト Socket Lift、サイナスコンデンシング Sinus Condensing
- 下歯槽神経側方移動術 Mental Nerve Lateral Repositioning
- 垂直的造堤法 Vertical Alveolar Ridge Augmentation
- 仮骨延長法 Vertical Alveolar Ridge Distraction
- 矯正治療へのインプラントの応用 Orthoplant
インプラント治療における骨造成法の参考資料
GBR 骨誘導再生法
部分的骨欠損症例に対して、骨の再生を促すために骨補填剤や細かく砕いた歯骨を入れ、膜(メンブレン)で包み込んで骨を再生させる方法です。膜には非吸収性と吸収性があります。
GBR適応症
ボーングラフト(骨移植)
骨の幅が薄くなってしまってインプラントを埋入できない症例に対して骨移植を行う方法です。移植する骨は患者様自身の骨を使用する自家骨、本人以外の骨から作られた骨補填剤を使用する他家骨、人工骨を使用するケースがあります。
骨移植材の種類
- 自家骨:
通常患者さんの口腔内より採取する最も安全(Golden Standard)だが量的に制限がある。
- 他家骨:
脱灰凍結乾燥骨DFDBA
- 人工骨:
アパタイト製材
自家骨移植の口腔内供給部位(Donar Site)
- オコガイ骨:
最も緻密質で、多量採取可能。術後、下顎前歯麻痺の恐れあり
- 下顎骨後方~下顎枝外側:
最も一般的で、必ず外側1/3から採取すべし。切開部を誤ると大出血、術後麻痺、味覚障害の恐れあり
- 上顎結節:
最も海綿質で、少量採取のみ
- 鼻骨
- トールス(上下顎)
- 口蓋隆起
オステオトームテクニック
円筒状の特殊な形状をした金属製のオステオトームという器具を使用して骨を拡げる手法です。以下の3種類に分けられます。
- 骨密度の低い柔らかくスポンジ状の骨質(Type3,4)でのインプラント埋入窩の形成(Simple osteotomy,Bone condensing):
上顎臼歯部に有効
- 歯槽堤幅の拡大(Ridge expansion osteotomy:REO) :
頬口蓋幅が3~4mmと狭搾した歯槽堤の場合で、上顎前歯部に有効(Bone Spreading Osteotome)
- 上顎洞底の挙上(Socket life) :
上顎洞底下の骨の高さが5~6mm以上mの場合(Implant Site Dilating Osteotome)
- Slnus Condensing